フィガロの離婚

ホルヴァート(1901年生)の作品。フランス古典作家、ボーマルシェの「フィガロの結婚」の後日談。「フィガロの結婚」は原作の演劇上演より、ダ・ポンテのオペラ台本による、モーツアルトのオペラが有名である。フィガロ(伯爵の従僕)@羽場裕一とスザンナ(伯爵夫人の侍女、フィガロの妻)@古村比呂、アルマヴィーヴァ伯爵@立川三貴、アルマヴィーヴァ伯爵夫人@金沢碧の4人がメインキャスト。伯爵夫婦は革命で国外に逃亡。フィガロ夫婦も同行する。逃亡生活になじめない伯爵夫婦は、宝石を売って逃亡先でも贅沢な暮らしをする。その生活から、自由を手にするためフィガロ夫婦は伯爵夫婦からは離れ、床屋をはじめる。その後、スザンナは子供を欲しがるが、フィガロは反対。現実の単純な生活も嫌になり、スザンナはフィガロのもとを去る。フィガロは国に帰り、孤児院となっていた伯爵家の館主となる。スザンナは伯爵の元小姓であるケルビーノ@城全能成のクラブで働き始めるが、亡命者と分かり、結局、伯爵家に戻ることになる。そして、再開したフィガロとスザンナはハッピーエンド。離婚してまた結婚。別れても好きな人。…である。伯爵夫婦は生活がどんどん厳しくなり、伯爵夫人は亡くなり、伯爵はスザンナと共に国に戻る。革命は終わっていたため逮捕はされない。そんなストーリー。衣装が現代的なものや時代的なものが混在していて、床屋のセットだけは忠実に再現されていて他は抽象的、途中にケルビーノ@城全のマイクを持っての歌があり、色々と工夫しているのが分かる。けれどストレートプレイは苦手。何度も眠くなるのをこらえて、どうにか観終えた…といった感じ。キャストは芝居が上手くて、時々に笑えるシーンもあるのだけれど、やはりミュージカルとは違う。また、久しぶりに古村を観たが、あまりに演技が下手で、一人浮いている印象。なぜ彼女をキャスティングしたのだろうか?今回の収穫は城全能成。身長も高く、お顔も美しい。ちょっと岡幸二郎にも似ている。文学座所属。もし、ミュージカル作品に出ることがあれば是非観てみたい。