アルバトロス、南へ

朝海ひかるバウ・スペシャル」と銘打った今作品。朝海ひかるは、宝塚歌劇雪組のトップ男役(今は主演男役と言うらしいけど…)である。2幕途中に新作の小芝居が入った他は、全て彼女の出演作品の抜粋のようであった。それもトップになる前までの作品。ショーで抜擢された作品、新公で2番手を演じた作品、初主演をした役替公演などなど…。オールドファンには懐かしくてたまらないものだろう。私も彼女を認識した「ハウ・トゥー・サクシード」のバドは懐かしく、月日の経つのは何と早いものかと感じた。また、香港公演や宙組お披露目公演のシーンはさみしくて涙が出そうになるほどだった。宙組の発足当時…、姿月あさと和央ようか湖月わたる、そして、朝海ひかる…。この4人の男役で作った組。それが今では…。元雪組の貴城、元月組の大和、元花組の蘭寿、そして、元月組の北翔…。これでは、宙組と言えるのだろうか?な〜んてことをやっぱり考えさせられてしまう公演であった。公演自体は朝海のダンスが思う存分堪能でき、また、少人数であったため、あまり知らなかった麻樹ゆめみという歌もダンスも最高!な娘役を見つけることができたし、それに音月桂のトートと朝海のルドルフの「闇が広がる」はなかなかの出来で、音月のルドルフを観てみたくなった。