ミー&マイ・ガール

東宝で2回目の上演となる今作品。今回はメインキャストが若返って、特に、ビル@井上芳雄とサリー@笹本玲奈の若手に注目!と思って観劇したのだけど、終わってみれば印象に残ったのは指揮者の塩田明弘氏。彼は踊る指揮者として東宝の舞台では有名だが、その本領発揮!であった。開幕前にはオーケストラの楽器紹介、ランベスウォークのダンスシーンの練習などがあり、演出家の山田和也氏のブログでも書かれていたが、開幕前のロビーを十分に楽しむことができて、これからの東宝作品でもこういう企画があることに期待。ビル@井上芳雄は今までの王子のイメージとは違った役を楽しそうに演じていた。下町で育ったようには見えない、という感想を耳にしていたが、彼とルドルフ@エリザベートやアレクシス@アンナ・カレーニナとは決して重ならなかった。サリー@笹本玲奈は歌は良かったが、ちょっとお太り目。ヒロインを演じるならばもう少しダイエットしておかないと。でも、まだ二十歳そこそこ。これから痩せていくのだろう。もう一人、マリア公爵夫人@涼風真世について。彼女がこの役に選ばれた理由が分からなかったが、宝塚の春風ひとみと邦なつき、そして、前東宝版の初風諄とも違う、コケティッシュな面があり、ランベス・ウォークでも割とはやくから乗り乗りに踊りまくっていたり、彼女特有の変幻自在な声を使って、新しいマリア叔母であった。一幕、二幕とも、キャストの客席下りがあり客席も盛り上がった。表打ちする人が必ずいる拍手も、今日は揃っていて、これは幕前の教育の成果か、それともこの演劇が浸透してきた証拠であろうか…?ちょっと古くて、間延びする感は否めないが、久しぶりにボケーっと楽しめるミュージカルを観られた。