タイタニック

ブロードウェイミュージカル『タイタニック』は、平成17年8月に大阪・シアターBRAVA!、東京・昭和女子大学人見記念講堂にて来日公演の上演を予定していた。しかし、アジアツアーの中止に伴い、日本公演も中止となった。このニュースにがっかりして、いつかは観たい…と思っていた公演が、翻訳版で上演と知り、嬉しくて、詳細の発表を楽しみに待っていた。しかし、ちらしの演出家を見て唖然…。去年の「グランドホテル」でがっかりさせられた彼女であったから。彼女の演出は、観客を楽しませたいという気持ちが全く見えないのだ。曲は良いし、出演者もまぁまぁ。是非!演出家を変更しての再演を!
トーマス@松岡充は、この芝居の主演?カーテンコールでラストに出て来て気付いた。確かにパンフレットの一番最初に載っている。あの歌は上手いの?あの芝居は上手いの?一人だけ浮いている印象を受けた。それに歌手らしいが、歌っているときの口元が汚らしく、だらしない。歌うのに一生懸命で、まだ、芝居と歌を楽しめるミュージカル役者ではない。そして、主役のオーラは全く感じさせない。
フレデリック岡幸二郎は、想像よりも歌う場面が多くて、それもキャストの誰よりも美しい声で歌っていた。そして、あんなに人間くさい役は初めてではないか?芝居も上手くなっていて驚き。
他のキャストで気になったのは、可愛らしく、綺麗な声で、役の14歳にも見えたベルボーイの原田優一。「ボーイ・フロム・オズ」でピーター・アレン坂本昌行とオーストラリア時代にコンビを組んだ役をしていて印象に残っていた、今回は見張り台で♪No Moon♪を素敵な声で歌っていた松原剛志。これからの活躍が楽しみ。
そして、今回のキャストでは、劇団四季を退団した(してた)オジサマ方がご出演。「してた」としたのは、退団してたことを知らなかったから。特に佐川守正。「李香蘭」の裁判長はいったい誰が今は演じているの?私の中では「李香蘭」の杉本役は芥川英司。つまり、鈴木綜馬。この二人が出ているのに気付いた途端、「李香蘭」が頭に浮かんでました。私が劇団四季を観るずっと前、岡幸二郎もアンサンブルで出ていたのだわ。この「タイタニック」公演は、「劇団四季」退団おじさま救済公演と呼びましょう。