エリザベート

「再演雪組は一度で十分」
ただ、前回の月組公演よりかは良かったと思う。なので、宝塚全6公演をまとめて評価すると…、「宙>星>初演雪>花>再演雪>月」でしょう。


トート@水夏希
ヴィジュアルはなかなかよろしい。もっと立っ端が欲しいところだが。芝居は元々下手だとは思わないので、最近の花組の春野、月組の彩輝よりかは安心して観ていられた。ウィーン版のトート、Mateの公式ファンサイトでリンクされてるハンガリー版のトート(ハラール)の映像があるが、中性的なハラールは宝塚版に似てる…と思っていたが、宝塚版は、ウィーン版とハンガリー版の中間といったところ。
エリザベート白羽ゆり
彼女のマリー・アントワネットはなかなかの出来だった。今回のエリザベートもちょっと期待していた。が、マリー・アントワネットよりもエリザベートには芝居が必要なのだ、ということを実感。白羽の一本調子の芝居では、年齢を重ねているのが分りにくく、喜怒哀楽含めて全体の表現が下手過ぎた。芝居が雑。地声が低くこもったような声なので、全てをファルセットで歌い続けて、それが表現を変化させることができなかった理由だろうか。子供時代を地声で歌わなかったエリザベートは記憶が定かではないが、今回の白羽くらいでは?男役の瀬奈もだったか?ウィーン版のMayaさんのエリザベートがまだ頭に残っているので、全くの別物、新公か学芸会…な白羽エリザベートであった。もう一つ。扇の開き方だけでも練習して欲しい。
フランツ@彩吹真央
低音も出ていて正統派のフランツだった。花組の樹里、月組の初風と観て、フランツの歌は本当に難しい曲だということを再確認したが、フランツは歌える人が演じないと。でも、何と言ってもウィーン版のMarkusが良かった。彼を越えるフランツは当分出てこないだろう。
ルキーニ@音月桂
ウィーン版のBrunoを観て、可愛いイメージのある役者でも演じられると分り、音月のルキーニもそれなりに見られた。でも、私の中のベストルキーニは、男にしか見えなかった初演雪組轟悠なので、それとは全然違ったルキーニではあった。
ルドルフ@凰稀かなめ
歌えないという投稿をあちこちで見たが、宙組大劇場の頃の朝海ひかるのルドルフに比べたら良かった。きっと彼女もこの役を足掛りにして成長していくのだろう。一ヶ所、高音が出なかったのが残念。何よりビジュアルが良いルドルフというのは良い。今までのパンダみたいなメイクだった彼女もすっきりした綺麗なメイクになっていた。
ゾフィー@未来優希
宝塚版のゾフィーはウィーン版とも東宝版とも違うもの。そういう視点で観れば良かったが、彼女の新公での衝撃があったので、かなり期待が大きかっただけに、もっと歌って欲しかった。何か物足りないゾフィーだった。周囲のレベルに合わせたのか?
マダム・ヴォルフ@晴華みどり
良かった。若いかな?と思っていたが、迫力もあって。ただ、宝塚版はあれだけ…。もったいない。ウィーン版のルドヴィカとのセットが面白かっただけに…。
ヴィンテッシュ嬢@天勢いづる
あんまり汚しをしていない。このシーンに関しては、二人がちょっと心通わすシーンがある分、ウィーン版より宝塚版が良い。


今回雪組の「エリザベート」を観るか観まいか迷っていた。ウィーン版の「エリザベート」が頭から消えてしまうのがもったいなくて。観劇中は、頭の中ではウィーン版がぐるぐるまわっていて、しかも、ちょっとウトウトしちゃって…。大好きな「エリザベート」も役者次第なのだ。