ベンジャミン・バトン−数奇な人生−


昨年末のアメリカ公開からずっと気になっていた作品。一人の人間の生まれてから死ぬまでを描く3時間弱の大作です。ブラッド・ピッドの出演がもちろん映画をより興味深いものにしていますが、それだけでなく、ストーリー自体もとても引き込まれます。「80 歳で生まれ、年をとるごとに若返っていく男の物語。」この芯の部分はもちろん特別なことですが、それぞれの年齢で経験することは彼だけが経験するような変わったことではないのです。淡々と描かれているので、叙事詩的であり、落ち着いて見られる映画になってます。年齢関係なくお勧めしたい映画です。アカデミー賞も13部門もノミネートされていて、日本でも話題になるのかと思っていましたが、祝日の昼上映、映画館は席が空いてます。もったいない。
今回、この映画を見てある介護に携わる方の話を聞いたのを思い出しました。「人間は生まれたときは要介護5。それから成長するにしたがって、要介護4、3、2、1、要支援、そして自立。その後、加齢とともに再び、要支援、要介護1、2、3、4、5となり死んでいくのだ」と。確かに、生まれたばかりの赤ちゃんも寝たきりであり、排泄も食事も自立していない要介護5なんですよね。この物語のベンジャミンは、ただそれを逆に生きただけなんです。


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