シェルブールの雨傘

前回観たこの作品は全く記憶に残っていないので、おそらくつまらなかったのかな…と。今回の謝珠栄版はどうなのか?半分期待と、彼女の演出作品は好みが分かれるので半分不安ではありました。それが、かなり良作品に出来上がっていました。音楽はもちろん映画版と同じ。ちょっと歌うには難しそう。でも、歌えるキャストが揃っているので聴き心地良く…。舞台転換ははやく、シンプルなセットが効果的。アンサンブルのプリンシパルを邪魔しない演技や踊り。どれをとっても調和が取れていて、気になる点がありませんでした。今年最後の観劇が、こんな素敵な作品に出会えたことは嬉しく、心が温かくなりました。
ギイ@井上芳雄
エリザベート」のルドルフ以来、彼に合っている役ではないかと。力が入っていなくて演技も動きも自然体。ただ、ダンスシーンはもうちょっと…。柔軟とかもっと頑張ってもらわないと。
ジュヌヴィエーヴ@白羽ゆり
退団後どうもお太りになったような…。頬のお肉にお顔が埋もれてしまってて…。まぁ16歳ですから、お肉もパンパンで可愛いのかしら?退団後の初舞台で、東宝ミュージカルのメインキャストになるなんて、これからの活躍にも期待です。声量がないので、芳雄君とのデュエットではとなみの声が消されてしまってます。
エムリー夫人@香寿たつき
素晴らしい歌声。一番難しい旋律のようですが、流石のタータン、美しく歌ってくれていました。お母さん役が別の方だったら、きっとこの舞台の印象が変わったものになるでしょうほど、重要な役どころです。ここにタータンをキャスティングするあたりは、謝先生のお気に入りっぷりが分かります。
アンサンブルはコーラスとダンスで場面転換でも活躍。ちょっとした小芝居もあって、それぞれの役を演じています。公式プログから…
まずは、ワゴンでお花やキャンディを売ってるマリーちゃん。マリーちゃんは、彼が戦場から帰ってくるのを待っています。カラフルなお花や笑顔がいつも明るいイメージで、どんな悪人でもマリーちゃんからお花を買ったらいい人になっちゃうような感じです。

それから、いつもラブラブオーラを発光してるのがモニクちゃんとアランくんのカップル。アランくんが長い航海から帰ってからずーっとラブラブです。ハートオーラが見えてきます。

そしていつもさわやかなのが郵便配達のジョルジュくん。軽やかに登場していろんな報せを運んできます。時には、悲しい報せも・・・。

漁師の旦那さんジョセフさんを探してる奥さんアンナさん。一人息子のジャンくんを連れてシェルブールにお父さんを探しに来ています。お父さんに出会えるんでしょうか。

どこの街角にもいる娼婦の二人、シィルビーとジェニー、シィルビーの彼も戦場に行ったきり。今日も温かい場所を求めて街に出ています。

それから、いつもくっついたり離れたりの腐れ縁カップルもいます。飲んだくれのミレーヌと男前だけどちょっと短気なポールさん。いつも何かと揉めてるけど実は二人の愛は、深いのです。ストレートに出せないけどお互いなくてはならない存在。

そんなどこにでもいそうで、誰でも思い当たるような人物がそれぞれの愛を胸に秘めてシェルブールに暮らしています。

以上。
アラン@東山竜彦の可愛い帽子が気になりました。また、ジョセフ@杉山有大とアンナ@園田弥生、そして子供のジャンの幸せになった家族がほのぼのしていてほっこりします。ギイとジュヌヴィエーヴとは真逆な設定で…泣けます。



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