Frank&Friends/MITSUKO

ミツコ…青山光子。国際結婚をした初の日本女性。以前、大地真央主演の舞台『ミツコ』を観たことがあり、またNHKで放送されたドキュメンタリーのようなもので彼女のことを知り、2005年10月にウィーンでミツコの住居、そして、お墓参りもして来ました。この作品は、その後の2005年12月9日に1日だけウィーンで上演され、一路真輝のミツコと井上芳雄のリヒャルト、そして、Uwe Krugerがハインリッヒを演じました。当時はSOMで発売された舞台写真を通販で購入したり、ようつべでちょこっとニュースや隠し録り?のような荒い映像を見るだけでした。今回の日本での上演も同じキャストを期待しましたが、残念ながらキャストに変更があり、ミツコが安蘭けい、ハインリッヒがMate Kamarasになりました。初日であるこの日、本公演での上演も発表され、今回のコンサートはその宣伝のようです。今日は初日ということもあって、客席は大変豪華でした。一番はお孫さんが来られていたことでしょうか。ミツコの3男、Gerolf Glaf von Coudenhove-Kalergiの息子、ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー氏。彼は日本に滞在されていて、以前、展示会を観に行ったことがありますが、小柄なおじさまでした。お連れの方がご年配の日本女性でしたので、奥様でしょうか?他に、石丸幹二、伊礼彼方、朝海ひかる、そして、フジテレビの笠井アナの姿がありました。石丸さんと伊礼さんが帰りに会場出口のドア近くでかなりお近づきに…『トートとルドルフだ!』

Act1 musical MITSUKO ミツコ 〜愛は国境を越えて〜 −コンサートバージョン−
ミツコが日本でハインリッヒと出会ってから、ウィーンで次男のリヒャルトと最期の別れをするまでのストーリーが、断片的に淡々と進みます。
まずはナレーターを演じた増沢望さんに拍手!彼の素晴らしい声となめらかで、かつ力強い台詞回しがあってこその舞台です。彼がいなかったらこんなにまでも感動はしなかったでしょう。そして、ミツコを演じた安蘭。高音の声量がないのが気になりますが、それは彼女への期待が大きすぎたせいでしょう。ただ、お着物姿が美しくないのです。これは本公演では改善してくれると良いのですが…。ハインリッヒを演じたMate。彼にしてはちょっとおとなしめの役で、彼のロックな歌い方にも合わない曲で彼の起用の意味が不明ですが、今までにこんなMateを観てなかったからかもしれません。そして、リヒャルトの井上。すっかり大人になってしまって19歳には見えないけど、美しいお声は健在。彼のドイツ語が正しい発音なのかは分りませんが、何だか本当にハーフのように見えて…。本公演では彼が演じてくれるのでしょうか?先に書いた大地真央の舞台では、ハインリッヒを草刈正雄、リヒャルトを赤坂晃が演じ、誰がどう見ても美しい家族を演じていました。安蘭では難しいから、せめて、ハインリッヒとリヒャルトだけはハンサム君を選んでください。このメインキャストと増沢以外にはアンサンブルとして役名がプログラムにも載らずに出演している男女3人ずつが参加。ミツコの父親に佐山陽規。ダミ声で頑固な父親を演じてくれました。母親には家塚敦子。安蘭より年下なのにすっかり老け役になってしまって…。昭憲皇后に池谷京子。もう一人、アンサンブルの岡本茜さんが大活躍です。リヒャルトの恋人、女優イダ・ローランを演じている。ハーフだけあって本当に美しく、スタイルも良く、高音も美しい。男役の頃は低音しか聴いていなかったので新鮮。最近歌手としての活躍が目立っているけれど、もっともっと舞台に立っていて欲しい。
出演者のことはこの辺にして…。
音楽はコンサート形式ということもあるのか、ちょっと盛り上がりに欠けるようです。かと言って、このストーリーのどこに盛り上りを持ってくるのか…と疑問も残りますけれど。ストーリーとしては、本公演で上演するほどドラマティックには思えません。ミツコの頑なな性格が単なるわがままにも思えてしまうので、これが史実なのでしょうけれど、ちょっと感情移入が出来ない分、本公演ではもう少し脚色したほうが面白いかもしれません。

追記
池谷京子さんののブログによると…『実際にミツコが謁見した、昭憲皇后の曲を歌わせてもらってますが、もともと、ウイーンで公演した時にBGMとして作られた曲に詩をつけて、昭憲皇后の曲にしたのです。とてもステキな詞がついて、雅な趣の曲になり、あの曲を歌わせていただき、本当に光栄です。』とありました。ここにもあるように今回の公演はウィーン版そのままではなく、新しい曲、演出になっているようです。

Act2 Frank Wildhorn's Song Book
以下が曲目リスト。ゲスト出演者によって曲が変更されるようです。青色が今日の曲と歌手です。今日のゲストは鹿賀丈史。彼は『ジキル&ハイド』を卒業したと記憶しているので、この公演がルーシーのマルシアと組むラストになるかも知れません。
Jekyll & Hyde
1. Prologue-Facade プロローグ〜嘘の仮面 コーラス
2. Bring on the Men 連れてきて マルシア
3. Dangerous Game 罪な遊戯 鹿賀丈史マルシア

  A New Life 新たな生活 マルシア
4. Outside Jekyll's Lab- This is the Moment 鹿賀/Mate

Rudolf
5. Prologue 
6. Measure of a Man  井上
/田代万里生/Lukas Perman
7. Pretty Littele War 家塚&女性コーラス
  Only Love 笹本玲奈
8. Something More 井上/田代/Lukas&池谷
  You are born to love me 井上&笹本

スカーレット・ピンパーネル
9. 炎の中へ 安蘭けい&男性コーラス
10. 君はどこに Mate

with Wildhorn
11. ひとかけらの勇気  安蘭
12. You Can Do Better Than Me 田代
13. あんなひとが  マルシア
14. 独りで  鹿賀

  これが恋 田代&岡本茜
15. 我らガスコン コーラス
16. Never Say Goodbye 安蘭&井上
/Mate

Never Say Goodbye
17. The Girl I Look for 僕が探す人 井上/田代
18. Truth Of Love 愛の真実 安蘭
19. One Heart オールキャスト

全てのキャストが歌えるので安心して聴けます。『Never Say Goodbye』はちょっとウルウルしてしまいましたが、♪僕が探す人♪の井上君の変なダンスが涙を止めてしまいました。アレンジが随分とロック調、ジャズ調になっていました。アンコール曲の用意がないようで、一言挨拶だけであっさりと幕…になってしまいました。

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