ダンス・オブ・ヴァンパイア Tanz der Vampire

ウィーン版のCDを数年前に購入してから、ずっと聴いてました。ようやく観劇することができて、それだけで、もう感激!セットがウィーン版ほど重厚ではなくて、ちょっと軽めな印象。でも、ストーリーは同じです。ドラキュラのクロロック伯爵がサラという宿屋(主人がシャガール、妻がレベッカ、そして主人の愛人がマグダ)の娘を気に入り城に招く。宿屋にはちょうどドラキュラを研究しているアプロンシウス教授とアルフレート助手が。おぼこ娘のサラはアルフレートに興味を持つけど、結局、伯爵に惹かれてお城の舞踏会へ。教授とアルフレートもお城へ。伯爵はサラに、伯爵の息子でゲイのヘルベルトはアルフレートにせまり、最後は、教授以外は皆がヴァンパイアになって踊って終わり。終始コメディ色の強い、楽しいミュージカルです。

クロロック@伯爵山口祐一郎
この歌を歌える人は彼しかいないでしょう!難曲の多い役。ただ、やっぱり、サラを愛してるように見えない…。彼はただ歌うだけの人。

サラ@剣持たまき
赤いドレスも綺麗に着こなしていたし、お風呂が好きなちょっとお馬鹿な可愛らしい娘を演じてました。でも、「ナイン」で観た美しい姿はそのままで。美しいものが好きな私は、大塚とのダブルキャストと知って、初見では迷わず剣持を選びました。

ルフレート@泉見洋平
このキャストの日を選んだのはもちろん、彼が役に合っていそうだったから。そして、その通り彼は気の弱い、臆病な青年を上手く演じてました。むしろ、彼がそのまま演じているようにも見えたほど。

シャガール佐藤正宏
歌がもう少し歌えたら良かったけれど、喜劇が好きなんでしょう、楽しそうに演じていました。

レベッカ阿知波悟美
ちょうどNHKドラマ「純情きらり」でタミさん役の好演していたのを見たばかりだったので、出てくるとタミさんがチラついて…。でも、歌も上手い(上手くなっている)し、演技も上手い、ラストでのダンスは頑張ってる…。レ・ミゼ初演のマダム・テナルディエ役を演じた人です。さらに、エリザベートモーツアルト、と東宝ミュージカルには欠かせない人になっているのですね。来年のレ・ミゼが楽しみです。

マグダ@宮本裕子
シャガールの愛人ですから、魅力的な人なのでしょう。宮本さんはもちろん可愛らしいのですが…物足りない。マグダ役の人は、歌の場面ではもっと迫力が欲しいものです。

ヘルベルト@吉野圭吾
クラブセブンや、ダウンタウンフォーリーズを観ている人なら、彼のあの姿もどこかで観たような…。Tバックでアルフレートを追いかけます。でも、シカネーダー、アンジョルラスしか観ていない圭吾ファンには驚きでしょう。せっかくのTバックでの彼のお尻だけど、筋肉のせいか、まん丸でなくて色気が足りないのです。後は、もう少し歌を頑張らないと!何しろ、山口祐一郎の息子の役なんですから…。もう無理でしょうか?

クコール@駒田一(伯爵の付人、せむし男)
せっかくミュージカル作品名なのに歌が聴けないのが残念だけど、それでも、存在感のあるおいしい役です。

アプロンシウス教授市村正親
いや〜、彼しかこの役は思い付かないです。まるで早口言葉のような歌は、彼しかできない。後輩の山口の脇に徹する役ではあるけれど、市村が出てくれなかったらこの作品は成功してなかったに違いない。

そして、アンサンブル秋園美緒、そんちゃんです。
エリザベートみたいなソロは全くなくて、大勢口で歌ってることがほとんど。それでも頑張って探しました。…と言っても、私のオペラグラスはだいたい彼女を発見するのですけれど…。もし、観劇するなら上手を観ているとだいたい彼女が分かります。