ルカス・ペルマン×中川晃教コンサート

コンサート1部に出演予定であったMarjan Shakiが、体調不良の為、大阪公演を降板することになった。このニュースが届いてから、大阪まで行く必要があるのか?と羽田空港に着いて搭乗直前まで考えた。
楽曲の変更のため、コンサート自体が開演15分遅れ。何だか不安いっぱいなまま劇場入り。
ゲストに、もしかしたらMayaさんが出てくれないか!?との希望も持っていたが、ゲストはいません、と係りのおじちゃん。とあるブログでは今日帰国していたらしい。
「美しい男には毒がある」との副題付のコンサート。途中のMCでこれは中川君がLukas君に対して付けた副題だと判明。そうだよね…。中川君のお顔じゃあねぇ…。

第1部 ミュージカル・ヒットナンバー・コンサート
幕が上がるとセンターに黒いスーツのLukas君がサックスを手に登場。

1) "Die Schatten werden länger" ("Elisabeth")
「闇が広がる」の前奏が流れ、お!コンサートでも「エリザベート」歌ってくれるのか!
トートのパート、ルドルフのパートを歌い、さぁ、これからサビに…というところで、サックスを吹き出し。ビブラート技巧は持っていないものの、ストレートな美しい音色。と聴き惚れていたら、突然「Stop!」って。エリザベートは歌いたくない、他の曲を…みたいなことを英語で喋りだして「闇が広がる」は終わってしまった。

2) "Can You Feel the Love Tonight?" ("Lion King") 
エルトン・ジョンの歌う曲も透明感のある綺麗な声だけど、Lukas君はもっともっと綺麗なハイトーン。この曲は当初の予定になかったようで、ピアノだけの演奏に。準備していたかのように歌いこなしているように思えた。
この公演の仮ちらしには「レ・ミゼラブル」の作品名も書かれていて、もしかしたら、ここで、Marjanは「オン・マイ・オウン」でも歌う予定だったか…。

3) "Die Angst" ("Romeo und Julia")
Marjanの降板で急遽この選曲に。そのためにピアノのみの演奏。一度タイミングが外れて、同じ歌詞を2度歌うというハプニングあったが、それでも再びRomeoが観られて(聴けて)感動。
ここではLukasとMarjanのデュエットだったのだろうか…。「Marjanからごめんなさい」と日本語で挨拶。MCの間に中川晃教登場。

4) "Warum kannst du mich nicht lieben?" ("Mozart")
Lukasがヴォルフガングに!これはようつべでも聴いたことない、驚き!彼が演じることがあったら観に行きたい。というか、ウィーンでこの舞台再演して欲しい。今はミュージカルを上演する劇場がライムント劇場だけになってしまってるから、難しいのだろうか…。

5) 「影を逃れて」("モーツアルト")
6) 「残酷な人生」("モーツアルト")
急遽、中川晃教が歌う。譜面台が出て来て、え?覚えてないの?とちょっと不安になったが、公演中と何ら変わらない素晴らしい熱唱たった。彼は舞台で観ているとあんまりオーラを感じない…というか、小さすぎて、プラーター公園のシーンなど、アンサンブルに隠れて見えなくなっちゃう。それがコンサートだと彼一人。こういうときには、コンサートバージョンも良いものだ、と思う。中川君目当てのファンは嬉しかっただろう。

7) "Ohne Sie" ("Romeo und Julia")
残念ながら後半のJuliaの歌は入らず、何だか尻切れトンボのような印象が残った。拍手もないまま次の曲へ…。

8) "Your Eyes" ("Rent") 
ここで「レント」が入るのね。それもロジャーのソロ。ということは、私が期待していたロジャーとミミのかけ合いの「Light my Candle」は予定されていなかったのだ。
そして、次の曲を紹介。ラストソング…って、え〜!短すぎる!

9) "Für Sarah" ("Tanz der Vampire")
Romeo&Juliaの再演の次に楽しみだった彼のアルフレート。ウィーンで、コンサートバージョンだったがこちらもMarjanと出演。ようつべじゃなくて、生で聴けた!この作品も是非!ウィーンで再演を。
ここで第1部が終了。Marjanがいないむなしさは残ったが、それはそれで楽しめた。東京での復活に期待。ところで、Marjanは日本にいるのか?帰国してるのか?日本にいるならちゃんと治療を受けらているのだろうか?

第2部 DRAMA CITY
第2部は構成・演出が中川君。彼の魅力に溢れたショーだった。

1) "I WILL GET YOU KISS"
ピアノの弾き語りで中川君からスタート。どうやら彼のデビュー曲らしい。ドラマの主題歌で有名らしいが、聴いたことなかった。何しろ彼がミュージカル以外で活躍していることも知らなかったんで…。

2) "American Pie"
萩尾望都作品「アメリカン・パイ」でこの曲の存在を知った。ただ漫画だったので、どんな曲なのかは分からず。それが20年以上を経て宝塚歌劇団雪組で上演。この公演で初めて曲を知った。そして、歌詞は萩尾先生のオリジナルであることも知った。当時、この曲について調べたことがあったが、リフレインに出てくる"This'll be the day that I die"は「これが私が死ぬ日」なのか「私が死ぬなんて考えられない」と言う意味なのか?日本語訳には2つあるようだが、どちらにしろリューの言葉。(分かる方だけ分ってくださいませ。)支離滅裂な詞だそうだが、英語が分らない私にはカントリーポップスのようで、ただただ楽しい曲だった。

3)何の曲か分りません…。
バラード的でLukas君がしっとり歌ってくれてた。

4) "Just The Two Of Us"
Lukas君が再びサックスを吹いた。このLukas君と中川君のデュエット。お二人ともハイトーンな声にうっとり。一度中川君の声が裏返って、あら?彼でもこんなことがあるのね、良かった、とちょっと安心。
ここでMCに。Lukas君は料理好き。そして、日本では大阪城で花見して、富士山にも登った。劇場近くで野菜ラーメンを食べた、ホタテは苦手…くらいかな。

5) "High Enough"
これまたお二人の素晴らしいハイトーンボイス。こんな曲ばかりでもっとゆったり、小さい箱の劇場で聴きたい。

6) " Bridge Over Troubled Water"
中川君のアート・ガーファンクル。アレンジによってこんなにも違った印象になるんだ。

7) " Satisfaction "
これまた中川君のアレンジに驚き。
この後はミュージカルショー。

8) "遠き山に日は落ちて ドヴォルザーク作曲の「新世界より」"
〜年老いた元ダンサー。彼は願うだけ、オンリー・スター(当ってるかな?)。〜
Lukas君が今度はオーボエを吹く。これまた素直な良い音。

9) " Mr. Bojangles "
Lukas君がおじいさんに。雨音が聞こえる中、ロングコートに帽子、杖。椅子に座り、ローソクに火をつけて口笛、そして、歌。やはり声は若い。あ!でも、この歌は年老いたボージャングルに対して歌う曲だから、別に歌声がおじいさんでなくても良いのだ。このとき良く観ていなかったのだが、中川君が出て来て踊って、途中で踊れなくなり退場…という演出が。これが若い頃のおじいさんなのだ。この演出はどこかのショーでも観たことがある。歌は岡幸二郎ではなかったか。

10) "Bye-bye life, bye-bye happiness, hello loneliness"
〜昔は美しかった彼、もうすぐ死んじゃう。彼の名はルカス・ペルマン。〜
Lukas君が「イチ、ニ、サン、ヨン」ってカウント!君、可愛すぎるよ。ここからの拍手は裏打ちでしたいところ。無理だったね。客席はバラバラになっちゃった。中川君は小さい天使の羽根を背負って登場。最後はLukas君までがちょっと大きめな天使の羽根を背負って…。二人とも滅茶苦茶可愛い。一度、中川君が舞台から客席に落ちちゃった。これアクシデントですよね?途中にはLukas君の「メンバーショウカイ」の一言でバンド紹介。

アンコール
すでに客席はスタンディング。"American Pie"の熱唱と、その後、一度だけ出て来てくれたけど、マイクなくってお辞儀だけで終わり。

今回のコンサートで、中川君のエンターテイメント性に驚き。もちろん、彼が歌えることは知っていたけど、場を盛り上げようとする、相手を立てようとする、そんな彼の心遣いが気持ちの良いコンサートだった。ゲストのMarjanの降板は残念だが、その分も中川君が頑張っていて、最後は聴きに行って良かったと思えた。「レ・ミゼ」の初日を蹴って渋谷の彼らのコンサートを選んだことに多少は後悔もあったけど、それもなくなり、渋谷も楽しみ!