キャバレー
藤原紀香主演ミュージカル第二弾。ちょっとは紀香にも期待してました。というのも初主演した「ドロウジー･シャペロン」が私的にはなかなか好印象だったから。詳細はこちら。歌に関しては米倉涼子と比して良かったとも。それがこの作品ではまるでダメ。前回の役よりも芝居が必要ということ。単純ではない舞台背景を理解する必要があること。これが一番重要なところ。その中で時間の経過と共に変化する心情を理解して表現できなければ、客を舞台に引き込むことはできないのだ。全くの大根役者であることを露呈してしまっている。演技もダンスも酷いもの。歌も感情が入らなくて、出演シーンの歌と最後の歌と全く変わらない歌い方なのだ。ただやらされてる…という気持ちで演じてるのではないだろうか？舞台版は観たことがないため、映画版のライザ･ミネリが刷り込まれているせいもあるが、なぜ彼女がこの役を受けたのか知りたい。
内容を理解せずに観に来ている客が多いようで、幕間のトイレ待ちでの感想も酷いものだった。時代背景を知らないとこの作品は全く理解できないものなのに…。そんな客でも良いからと客寄せパンダの藤原紀香を配し、安いチケットを放出してまで客を集めている制作側にも問題があるのではないだろうか？
藤原紀香以外のキャストについて…
Emcee＠諸星和己
ローラースケートのシーンが入って、彼らしく演出されてました。歌も歌えてたし、動きも綺麗でしたので、この役には合っていたと思います。ただ、チャップリンのシーンはもう少しお稽古したほうが良いのでは…。
クリフォード・ブラッドショー＠阿部力
初めて彼を観る予定だった「Super Monkey」。和央降板でキャンセルになってしまったので、今回ようやく彼に会うことができました。芝居は舞台向きではないようですね。顔もハンサムではありますが、華があるようなハンサムさんではなく、身近にいるハンサムな男の子…という印象。もう少し、強く出てくれても良いかな？男好きな一面も今一つはっきりしないし。声は悪くなったんで、これから舞台での芝居、居方を勉強してもらって再チャレンジして欲しい。…って、もしかしてもう別の舞台の予定があるのかもしれないが。
シュナイダー夫人＠杜けあき
コスト＠高嶺ふぶき
シュルツ＠木場勝己
まとめて書いちゃいますが、この下宿のシーンがあるからこそ、席を立たずに最後まで観られました。ただ、木場さんの芝居はミュージカル向きではないですね。舞台の上で小さく見えます。まぁ、そういう飾り気のない朴訥な雰囲気が役にあっているのですけれど。杜さんと高嶺さんが同じ舞台に立っていることだけでも嬉しいですね。
アンサンブル
何より驚いたのは朱音。公式のキャスト表で気付きませんでしたが、元宙組の暁郷でした。すっかり女優さんに。あの大きさが悪目立ちしないほど、ダンサーには大きな女優さんが多かった。彼女は♪Two Ladies♪のシーンにもキャスティングされていて、アンサンブルの中でも埋もれずに効果的に使われていました。
ほか、アンサンブルは皆、好演してます。残念なのが客席の反応の悪さ。初日すぐでしたから、もう少ししたら、客席も盛り上がってくれることに期待したいですね。…あ！でも、もう一度は観に行きませんが。紀香が降板するか、やる気を見せてもらったら別ですけど。
